村野家は、三多摩壮士と呼ばれた、半分農家、半分兵隊の「農兵」の血筋だった。家長はすでに亡くなり、三人の男兄弟と彼らの叔父が住んでいる。 長兄の作蔵は伝統ある家柄を守ろうと武道にも励んでいたが、彼は男色家で弁護士の佃と関係を持っていた。次男の多摩吉は、山や川で裸になりオナニーするのがタノシミという遊び好きの男。 三男の国利だけが期待されていたが、ある日彼が恋人・米村を連れてきて、男同士で結婚すると言い出した。それだけでなく、自分の財産相続分を米村が引き継ぐと言い出し、村野家は大騒ぎになった。日本でそんな結婚が認められるわけはないが、国利はヨーロッパで認められている同性でも結婚できるドメスティック・パートナー制を引き合いに出した。 作蔵は米村を追い払おうとするが、反対されるほど国利は燃えあがった…
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